
ハトホル女神とマアト女神の小神殿
ほぼ完全な形で残っているのは,ハトホル女神とマアト女神の小神殿で,プトレマイオス4世やその後の何人かのプトレマイオス諸王が前3世紀に造営されたものです。
2本の柱のある部屋の奥には,入口の間があり,三つの至聖所に続いています。至聖所のうち中央はハトホル,右側はアメン=ラー=オシリス,そして左側はアメン=ソカル=オシリスにそれぞれ捧げられており,オシリスの至聖所には,神殿よりも墓に見られるオシリス神の審判の場面が表わされています。また,階段ピラミッドを建てた第3王朝の宰相イムヘテプと,第18王朝アメンへテプ3世の下で,メムノンの巨像など大規模な建設作業を担当した宰相ハプの子アメンヘテプの2人が,技術の神として神格化され,ここに描かれています。
入口の間の左側からは神殿の屋根まで続く階段があり,神域の北壁周辺には小さな奉献礼拝堂の遺構がいくつか建っています。この聖地と結びついた町が放棄されてから長い時が経った後にも,その神聖な性格は失われなかったことを,この神殿は示しています。この複合体は後世になってコプト修道院として利用されました。遺跡の現在の名称であるデイル・アル=メディーナ(「町の修道院」を意味する)はそこから来ています。

外観
案内板
神殿外観
入口上部
柱
天井
階段
中央のハトホル礼拝室
左 アメン=ソカル=オシリス礼拝室
オシリスの審判
右 アメン=ラー=オシリス礼拝室
宰相イムヘテプと宰相ハプの子アメンヘテプ?
小礼拝堂
アメンヘテプ1世の神殿
周壁に囲まれたプトレマイオス朝時代の神域の北側には,高いほうのテラスの上にアメンヘテプ1世に捧げられた神殿が建てられている。本来の建物は小さく,それを囲む壁の多くは後代に追加されたものです。
セティ1世のハトホル礼拝堂
プトレマイオス朝の神殿の北側には,セティ1世がこの村に住む職人たちのために神殿を造営した場所があります。より古い時期のアメンヘテプ1世の建造物よりはかなり大きなこの神殿は,三つの部屋からなる至聖所の手前に一連の建築要素を持つ構造となっています。
アメン神殿
プトレマイオス朝の神域から谷を隔てた向かい側に,テーベ三柱神であるアメンとムト,コンス)に捧げられた神殿の遺構があります。この神殿はラメセス2世によって造営されたものです。
☆チケット デイル・アル=メディーナ 100L.E.
墓は,センネジェム墓(TT1) ,インヘルカウ墓(TT359),ナクトアメン墓(TT335),
アメンナクト墓(TT218)・ネベンマアト墓(TT219)・カエムテリ墓(TT220)の4か所に入場できます。
パシェドゥ 30L.E. 別チケットが必要です
(2019年11月1日現在)チケットオフィスでのみ取り扱い
見学時間:午前6時から午後5時