東岸遺跡の見どころ

 ナイル川東岸地域には,南北二つの巨大な神殿が建てられています。北のカルナク神殿と南のルクソール神殿です。ルクソール神殿は,カルナク神殿の付属神殿として造営されたものです。また,ルクソール周辺地域から発見された出土品を収蔵・展示しているルクソール博物館も必見です。ルクソール神殿の北東にはミイラ博物館があります。    カルナク神殿とルクソール神殿の間には,スフィンクス参道が設けられています。…

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ルクソール神殿 Temple of Luxor

 カルナクのアメン大神殿の付属神殿として建立された神殿です。古代にはカルナクのアメン神が年に1度ルクソール神殿を訪れるオペトの大祭が華やかに行われました。すでに中王国時代には,この地に神殿が造営されていましたが,現存する神殿の大部分は,第18王朝アメンヘテプ3世と第19 王朝ラメセス2世が建立したものです。神殿は,その後もコプト時代には教会として利用され,イスラーム時代には,1243年に亡くなっ…

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ルクソール博物館 Luxor Museum

★ルクソール博物館とミイラ博物館は,14時から17時は休館★ 詳細はルクソール博物館 〜テーベの栄光〜 ルクソール神殿とカルナク神殿との間の河岸通りに面して位置する,1975年に開館された近代的な建物。古びてきたとはいえ,展示の方法や効果的な照明の使用など,第1級の内容をもつ博物館です。クルナ村を含む,ルクソールを中心とする地域に存在する数多くの遺跡から発見された代表的な遺物が,先王…

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ミイラ博物館 Mummyfication Museum

★ミイラ博物館とルクソール博物館は,14時から17時は休館★ 詳細はミイラ博物館カタログ  ミイラに特化した博物館。規模は小さく,30分ほどでひととおり見学することができます。 入口の階段 1997年開館の比較的新しい博物館だけあって,照明や展示の方法は垢抜けています。 スロープを通って奥に行くと,壁にはミイラづくりの様子が描かれています。 一番奥…

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カルナク神殿 Karnak

 中王国時代が始まるまでは,テーベの一地方神だったアメンが,中王国第12 王朝時代に,太陽神ラーと習合することにより,アメン・ラー神としてエジプト国家の最高神の地位につくようになりました。  ルクソールの北に位置するカルナクは,アメン神の聖地として,第12王朝時代以降, 歴代の王により,アメン神に捧げられた神殿をはじめとする石碑や王像など各種の記念物が造営されました。テーベの天地創造神…

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カルナク神殿 アメン大神殿 Great Temple of Amen

 ルクソール神殿の北約2.5kmに位置する一辺の長さ500~700mの日乾レンガの壁で四方を囲まれた広大な敷地に建立された神殿群であり,東西南北に門が建てられています。2000年にもわたる幾度もの増改築,破壊活動のため,様相は非常に複雑なものとなっています。 船着場  第1塔門の前方には,古代の運河に造営された船着場があり,第19王朝セティ2世の小オベリスクが立っています…

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カルナク神殿 プタハ神殿 Temple of Ptah

 アメンの広大な複合体の北側縁辺部,メンチュの神域に通じる門のすぐ内側に,メンフィスの創造神プタハの小神殿があります。アメン大神殿と同じくこの建造物も東西方向の軸線を持ち,内側の中核部分はトトメス3世によって建設されました。その後,第25王朝の王シャバカや複数のプトレマイオス朝の王,ローマ皇帝によって拡張と修復がなされましたが,修復を行なったプトレマイオス朝諸王は,それ以前の王のカルトゥーシュを…

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カルナク神殿 メンチュ(モントゥ)神殿 Temple of Mentu

(見学不可)  アメン複合体の北に位置するメンチュの神域は,カルナクの周壁に囲まれた三つの複合体のなかで最も小さいものです。この四角い形をした神域には,テーベ地域の古いハヤブサの神であるメンチュの神殿遺構と聖池,そしてさまざまな神々に捧げられた比較的小規模ないくつかの礼拝堂があります。  メンチュ神殿本体はアメンへテプ3世によって造営されましたが,タハルカを含むその他の数人の王が設計の変…

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カルナク神殿 オペト神殿 Temple of Opet

 コンス神殿の西にオペト神殿があります。 出産の際,妊産婦を助ける神として崇拝されたカバの姿の女神オペトのため,ギリシア・ローマ時代に作られた小さな聖所です。主にプトレマイオス8 世が造営したものですが,プトレマイオス朝末期からローマ時代初期のアウグストゥス帝にかけての優美なレリーフで飾られています。2019年4月に修復を終え公開されました。  コンス神殿の門,バブ・エル=アマラに近いにもかか…

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カルナク神殿 コンス神殿 Temple of Khonsu

 アメン神とムト女神の子である月の神コンスに捧げられた神殿。アメン大神殿の周壁南西隅に位置しています。アメンヘテプ3世が神殿の基礎を造ったと考えられますが,現存する建物は, 第20王朝のラメセス3世とラメセス4世が造営し,後に第3中間期からローマ時代に至るまで,多くの支配者により,手が加えられています。  神殿前の周壁には,プトレマイオス3世の建てたバブ・エル=アマラと呼ばれる門があり,上部に…

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