貴族の墓 Tombs of Nobles

 素晴らしい壁画が残る貴族の墓は,ラメセウムの西側からハトシェプスト女王葬祭殿の北側までの広い範囲に点在しています。チケットは現地では購入できず,セットの墓ごとにチケットオフィスで購入する必要があります(ハトシェプスト女王葬祭殿に近いアサシーフ地区の墓はハトシェプスト女王葬祭殿でチケット購入)。壁面の保存状態がよい墓も多く,古代エジプト人の生活の様子が極彩色で鮮やかに描かれていて,大変興味深い遺…

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レクミラ,センネフェル

 シェイク・アブド・アル=クルナ地区の中の南の端,山を登ったところにあります。規模,内容ともに貴族の墓の最高峰ともいえる墓です。 登り口 レクミラ墓(TT100) Rekhmire センネフェル墓(TT96) Sennefer 貴族の墓駐車場 ☆チケット100EGP(2023年12月1日改定)チケットオフィスでのみ取り扱い 見学時間:午前6時か…

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レクミラ墓(TT100) Rekhmire

 トトメス3世からアメンヘテプ2世時代の宰相レクミラの墓。第18王朝の墓の特徴である,型通りの非常に単純なT字型構造ではありますが,その規模の大きさ,装飾の質,多種多様な図像によって,他の墓とは際立った違いを見せています。  前室もかなり広いですが,それに続く縦長の礼拝室の天井は,低いところでも3 メートル近くあり,それが次第に 9メートルまで上昇していきます。装飾の表面積は全体でおよそ300…

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センネフェル墓(TT96) Sennefer

 レクミラ墓の左手の坂道を登った所にあり,見晴らしの良い場所です。アメンヘテプ2世時代のテーベ市長センネフェルの墓。  この墓は,19世紀初頭に旅行者たちがエジプトを訪れるようになってまもなく公開されたにもかかわらず,その埋葬室と前室の壁面装飾は今日でもなお素晴らしい保存状態を保っています。それはおそらく,地下深くに掘られていたことと,墓地のこの区域の良質な岩のおかげです。  急な階段を降り…

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ラモーゼ,ウセルハト,カエムハト

シェイク・アブド・アル=クルナ地区の比較的低い場所にあります。3つの墓は隣接しており,見学がしやすくなっています。 ラモーゼ墓(TT55) Ramose ウセルハト墓(TT56) Userhat カエムハト墓(TT57) Khaemhat ☆チケット200EGP(2024年11月1日改定)チケットオフィスでのみ取り扱い 見学時間:午前6時から午後5時…

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ラモーゼ墓(TT55) Ramose

 アメンヘテプ3世からアクエンアテン王(アメンヘテプ4世)時代の宰相ラモーゼ(ラモーゼ)の墓。32本のパピルス柱からなる広間をもつ大きな墳墓です。  この墓の建造中に,アクエンアテンがアメン神を主神とするテーベからテル・エル・アマルナ(アケトアテン=アテンの地平線の意)に都を移したため,遺体が埋葬されることなく途中で放棄されてしまいました。また,列柱室の奥壁の後室への入口を挟んで右側には,アマ…

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ウセルハト墓(TT56) Userhat

 アメンヘテプ2世時代の王の書記ウセルハトの墓。(TT51号墓のウセルハトは「トトメス1世の第1預言者」という称号を持つ別人です)  小型ですが,壁画が良好に保存されています。前室左手には,被葬者ウセルハトと妻ムトネフェルトが,彼らの娘と息子から首飾りや花束を捧げられている様子が見えます。右手には徴兵検査の場面があり,床屋が頭を刈っている姿などもみることができます。  奥室左手の壁面に,チャ…

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カエムハト墓(TT57) Khaemhat

 アメンヘテプ3世時代の王の書記で上下エジプトの穀倉長カエムハトの墓。年代からいうと,メンナやナクトの墓のすぐあとに作られたものです。  前室の左手奥に,被葬者カエムハトとその父である王の書記イムヘテプの彫像が造られています。左の壁面には玉座に腰掛けるアメンヘテプ3世の姿があり,その左側には,牛を連れている男たちが美しいレリーフで描かれています。また,前室右手には,2輪馬車の雄姿があるかと思え…

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ナクト,メンナ,アメンエムオペト

貴族の墓のあるエリアのど真ん中,シェイク・アブド・アル=クルナ地区の丘の上に位置します。 ナクト墓(TT52) Nakht  メンナ墓(TT69) Menna   アメンエムオペト墓(TT41)Amenemopet ☆チケット200EGP(2024年11月1日改定)チケットオフィスでのみ取り扱い 見学時間:午前6時から午後5時

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ナクト墓(TT52) Nakht

 トトメス4世時代の書記兼アメン神殿の天文観測係であったナクトの墓。入口部分は建物で覆われ,展示コーナーもある小さな博物館のようです。内部壁面全体をガラスで完全に保護されています。前室と礼拝堂の2つの部屋からなり,前室は美しい壁画が施されていますが,礼拝堂には何の装飾もありません。  有名な「女三楽士」,「盲目のハープ弾き」は,前室の左側,奥に向って右側の壁面にあり,宴会の様子を描いた壁画の一…

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